ふつうのおたくの日記

漫画と『ブルーアーカイブ』のことを中心に、ゆるゆると書きます。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ロバート・ピピンと映画』①

ちょっと訳してみるか。半年後位に「ポストセオリーの文脈におけるピピンの映画論」とかやりたい。 イントロダクション:「俺はこの忌々しい映画を分かろうとしているだけだ」 ロバート・ビュフォード・ピピンは1948年9月14日に生まれた。その際立ったアカデ…

某メール、某おしゃべり

某氏へのメールの返信を書いていたところ、中江兆民という名前が出てきた。たしかに、ルソー→カント→ヘーゲルというラインを強調するわたしの立場が、中江兆民の議論を評価しなければならないというのは自然だ。残念ながら兆民の原文が手もとに無いので、ひ…

パスティーシュとしてのおたく文化は可能か 一般的知性を巡るマイクロポリティクスのために

笑い (光文社古典新訳文庫) 作者:ベルクソン 光文社 Amazon 古典的なところから始めよう。かつてアンリ・ベルクソンは喜劇的なものにおける笑いを共感的なものではなく、むしろ知性的なものとして捉えた。 無関心な傍観者として生に臨んでみてほしい。そうす…

「神に愛されているだけでは駄目なんですか?」

飲み会の話その2。愛されたいなというひとに対して、「神に愛されているだけでは駄目なんですか?」と言ってしまい、おや、と思った。 最近、パロールについて考えてしまう。パロールの奇妙なところは、思ってもいなかったことが話されてしまうことだ。わた…

理由の哲学

理由の哲学をなぜか勉強しようと思い、SEPのReasons for Action: Justification, Motivation, Explanationの項目を1人で訳していたことがある。当時はなぜそんなことをやっていたのかよく分からないが、今は何となく分かる。わたしは知識を増やしたかったの…

ピピン、?

飲み会で「概念実在論についてどう思うか」と言われたが、答えに窮してしまった。答えられた方がええのは分かるけど。SoT、読んだ方がいい? ピピン先生は「実在」とは言わないだろうなあ。あのひとはカントなので。あくまで超越論的主体にこだわると思う。…

論理的実存主義?

イポリットとピピンを並行して読むと、両者がかなり似ていることに気がつく。すなわち、統覚の承認論的拡張というピピンのラインと、私のディスクールにおけるロゴスの顕現というイポリットのラインとが、ということだ。ピピンはカントから出発して広がり、…

『論理と実存』

前回の、 kyakunon.hatenablog.com つづき。 自己意識は自分自身に対してロゴスでない時、自分がもはや犠牲となるしかないような論理の餌食となる。弁証法はもともと自己意識に対して、自己意識が自分自身に対してこの弁証法でない時、遂行されるのである。…

『精神現象学』

予習。まあ、ぼちぼち読めるかなあと思ったので、イポリット訳を眺めてみる。 精神現象学 上 (ちくま学芸文庫) 作者:G.W.F.ヘーゲル 筑摩書房 Amazon Le fait que la vérité de la loi est essentiellement réalité, pour cette conscience qui en res…

声と命

www.youtube.com 『ブルーアーカイブ』のキャラクターにファンが命を吹き込む方法は無数にある。 例えば動画をみてみると、3Dモデルやアニメーションを使ってキャラクターを動かしている。 www.youtube.com www.youtube.com これらがいずれも素晴らしい作品…

『論理と実存』

イポリットの『論理と実存』が届いたので、ぼちぼち読んでいく。 論理と実存―ヘーゲル論理学試論 (1975年) 作者:イポリット Amazon 第一部 言語と論理 序論 弁証法的発明は存在の発見にほかならない。それは多かれ少なかれ気ままな構成ではないのであって、…

『意識と〈我々〉』、『カントの自己触発論』

強い博論本を2冊読む。 いずれも従来のカントとヘーゲルについての理解を刷新する快著だが、両者がいずれも「信仰と知」におけるヘーゲルのカント解釈を重視していること、そして構想力の概念を重視していること……これらのことを、わたしはどう理解すればよ…

『自然権と歴史』、『疑惑の影』、エヴァ序

レオ・シュトラウスの『自然権と歴史』ぼちぼち。いい本ですね。古典啓蒙主義から実存主義まで、歴史主義という事件を踏まえて一気に描きだす力技。かつ、近代の自然理解が間違っているのが諸悪の根源だとして、古代に遡行する。かなりデカい哲学体系で、し…

「最寄りまでこのまま……」|ねっこについて

好きなブルアカ二次創作シリーズ。前回のはこれ。 kyakunon.hatenablog.com 「ねっこ」さんというイラストレーターがいる。別名義でYoutuberなどをされていて、その方面でも非常に有名な方だが、ここでは触れない。問題はねっこ氏が描いているブルアカの二次…

「SEX」を更新すること|外湯について

youtu.be この記事を書いてからというもの、ようやく自分の肚が決まってきて、ブルアカの二次創作をぼちぼち漁ってきた。 そのなかでやや遅ればせながら発見したのが、この外湯氏の音MADである。一度みて、その素晴らしさに圧倒された。 まず特筆すべきは、…

『精神分析の四基本概念』注釈①

以下、ジャック・ラカンのセミネール第11巻『精神分析の四基本概念』の注釈を連載する。日本語訳は岩波文庫、フランス語原文はSeuil社のペーパーバック版を用いる。 amzn.asia www.seuil.com なんで急にこんなことを?という説明は、まあ、おいおい。ひとま…

イブキ、すき

youtu.be メール何通か溜めてるの気づいてます、すみません、これだけ書かせて。 今日一日ずっと寝ていて、ようやく頭が回ってきたんですよ。 うすうす気づいていたけれど、最近の<二次元の><虚構の>(超重要!)趣味が、かなり幼い寄りになってきた。三…

ブルアカイベント感想|『にぎにぎと ゆきゆきて』

最終日の午前中に慌ててエピソードを全部見た。 修正が入っているらしいが修正前は知らないので、ひとまず修正後についての感想をば。 百鬼夜行とゲヘナといえば、百花繚乱、風紀委員会、美食研、あたりが人気キャラクターでありよく目立っている印象がある…

まとまらないことをもろもろ

わたしは精神分析を受けようと思って、ときどき分析家の個人ホームページをみたりすることがある。そこには色々書いてあって、金がないわたしにとってとりわけネックになるのは料金なのだが、親切にも「クライアントの事情に合わせます」と書いてあるところ…